弟、ヒロ君は少しずつ成長していました。
前回の記事の通り、一人ふらっと外に出て行方不明になることはある時期を境にピタリとなくなりました。



でも、まわりの人達との差は拡がるばかりなんですよね。
最早パッと見ただけでも何かしら障がいがあることは明白なレベルな訳で。



そうなると出てくる問題がイジメや差別。
本人に対しても勿論多大にあったと思いますが、ここではきょうだい児である僕に対してのものを…。



同級生から全くなかった訳ではありませんでしたが…そこまで心に残るような酷いことはなかったように思えます。
それよりも酷かったのが上級生などの、しかも知らない人からだったんですよね(~_~;)



全く知らない年上の男子が突如現れて、『お前の弟キチガイやろう、頭がおかしいんやろう』な～んて言ってくるんですよね。
これは『は？』というより、とにかく色々と心外過ぎて怖かった記憶があります。




僕高校に入るまで割と背が低い方だったので、背の高い年上の(しかも強そうな)男の子が苦手でした。
それが急にそんなことを言ってくるもんで、それはもう怖いったらありゃしない。
しかもこちらが怖がるもんだから面白いんでしょうね、頻繁に言われていたと思います。



同級生が僕に対して同じような事を余り言わなかったのは、僕や弟の事を知っているので人としての優しさや常識・理性などが働いたのだと思います。
でも彼ら(面識のない上級生)は知らないから遠慮がない。
これ見よがしに汚い言葉をはいていましたね。
人って怖いなぁと子どもながらに思ったものです。



怖いと言えば、僕が１年生か２年生の頃の運動会。
まだ幼稚園だったヒロ君を連れてテントにいた母でしたが、これまた知らないどこかのおっさんに
『そんな病気のやつ外に連れ出すな、家に入れておけ』などと言われたと言ってました。



怖いもんですよホント。
これは完全なる主観、まさしく僕の独断と偏見かもしれませんが…
経験上世代が上の方々は差別意識が強い人の割合が高い、と勝手に思ってます。
特に今でいう後期高齢者あたりかな…(ただこれには補足があり、後日の記事でその詳細を書く予定です)



割合ということなので当然全員ではなく、心優しい人も勿論たくさんいるのですが…ね。
昔は障がい者は閉じ込めて当たり前、人前に出さないのが当たり前。
人として扱われない事が多かったと当事者達からも聞いたことがありますし、ね。



しかしまぁ、よくも他所のそういった子どもや親に対してそんな言葉を吐き捨てられるものです(ノД`)
キチガイ・下等生物・人間以下…か。



まぁ、こんな感じで色々とありましたね。
余り書くと内容がどんどん黒くなっていくのでこの辺にしましょう^_^;
今あげた事例は氷山の一角に過ぎませんからね…。



しかし…他のきょうだい児の方も同じ事を言う方が多いのですが、こういったイジメや差別発言をされたことって…
どうしても親には言えないんです。
言いたくないんです。



だって親も苦労をしていることを知っているから。
だからこんなことを言って親を困らせたくない、悲しませたくない。
その一心で自分の中だけで落とし込んで終わらせていました。



ヒロ君はこんな病気だから、それなら自分が我慢して強くならないといけない。
自然とそんな考えになっていましたね。




それくらい、親やヒロ君が心配でしたし…大好きでした。



しかし…



僕は中学生になり、思春期になり。
その気持ちが少しずつ薄れていくようになったのです。
そして兄として、１番してはいけない事をしてしまいます。



その時のことは未だに後悔しています。
僕も所詮人の皮を被ったナニカだったのか…。　

　　
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